-astral-星に捧ぐ少女


「ロストの力が私の力を拒絶している。神瞳のアストラルは使えないけど、私達にはテレサさんがいる」


テレサの世音のアストラルを使うのですね。


「ただ…代償が……」


テレサの代償は記憶。
力を使いすぎたら……


「フィリア、私達はこの世界の未来を救いたい。それは、大切な人達の未来を繋ぐためです」


大切な人達の未来…


ユーシスや、ダンテやカースさん。
エイゼ様や隊長さんやテレサやシエルナ。


私の大切な人達…



「その為なら、代償なんていくらでも払います。たとえ…命と引き換えにしても…」


テレサの瞳には、迷いなどなかった。


「そうだね、テレサさん。私達は皆の未来の為にアストラルを使うんだ」



大切な人達の未来の為…
そうですね……


私達は皆の為に…



「さあ、世界の存続を問う神の審判を再現する為に、まずは君のお兄さんを探そう」


エイゼ様の言葉に私達はそれぞれ頷いた。


「シエルナにもこの話をしないといけませんね」


シエルナ……
反魂のアストラルの持ち主。


蘇らせる力なんて使って大丈夫なんでしょうか…



「フィリア…」


テレサが私の手を両手で包んだ。


「今は、前だけ見ていましょう?大丈夫、きっとうまくいきます」

「テレサ…」


テレサは優しく私に笑いかける。


そうですね…
今は必死に足掻くしかないんです…


私も前を向きます…





< 257 / 357 >

この作品をシェア

pagetop