-astral-星に捧ぐ少女
『黄金の弓を引き絞り…』
まただ…
また力が溢れようとっ…
―バチッ
「くっう…」
力が反発し、シエルナは顔を歪めた。
「…これが白銀のアストラルっ…なのかっ…」
シエルナの力もあってか、私の力は溢れる寸前で止まっている。
いけません…
シエルナに負担をかけてはっ…
「うっ…」
体が勝手に弓を引き絞っている。そこに黄金の矢がつがえられた。
「あまり力を使ったらいけない!!」
エイゼ様の制止の声が聞こえる。
「ですがっ…もうっ…」
頭がぼーっとしてきた。
感覚という感覚が遠ざかっていく。
いけません…
このままで…は……
―キィィィンッ
その時、何か、金属がぶつかったような音が聞こえた。
これは…一体……
『…これは…フィリア…なのか……?』
…え………?
『白銀のアストラルの力を感じる…』
この声…この声はまさか…
「ロイ兄さん…なのですか…?」
『!!フィリア…!?』
やっぱりです!!
ロイ兄さんに繋がったんですね!!
「…見つけました!!漆黒のアストラルです!!」
テレサは額いっぱいに汗をかきながらも笑みを浮かべる。