-astral-星に捧ぐ少女


「よし、フィリアさん、力を解除するんだ!!」


エイゼ様の声は聞こえていた。それでも…


今、私はロイ兄さんに繋がっている。


次に話せる機会はいつになるかわからない。


だから…



「ロイ兄さん…私、兄さんにずっと会いたかったんです…」


『フィリア…何故僕の事を…』


そうですね…
ロイ兄さんと初めて会った頃は知りもしなかったですから…


「私は、ロイ兄さんが私の双子の兄である事を知っています。だから…ずっと…」


ずっとあなたを想っていたんです…兄さん…



『…君には…知られたくなかった…。いや、違うか…本当はフィリアに、そう呼ばれたかったのかもしれない…』


兄さん…
私のたった一人の家族…



「兄さん…理由は分からないけど、兄さんは孤独なんかじゃありません」

『!!!』


「兄さん…はっ…」


―ドクンッ


心臓が大きく脈打った。


「あっ!!?」

『フィ…ア…!?』


兄さん…兄さん!!!
私、兄さんに伝えたい事がっ…









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