-astral-星に捧ぐ少女


「みんなっ…」


みんながいます…
力を抑えなければ……


「フィリア!!」

「ユー…シス……」


ユーシスの声が聞こえる…



―ドクンッ


「あっ…」


あぁ…力の拍動を感じます…
いけない…
みんなを傷つけるのだけは…


「もう…あんな思いは…したくありません…」


ラシーズ島での出来事が頭の中で蘇る。


皆を傷つけました…
沢山の血が流れた…


「もう…誰も傷つけたく無いのにっ…」


涙が流れた。


自分の体なのに、自分で動かせないなんて…


「誰かっ…助けて…」

「…大丈夫だっ…くっ…」


その時、誰かが私を抱きしめた。


「誰かじゃない、俺がっ…助けて…やる…からっ…」

「あっ…」


それは、良く知った人。私の大切な…


「ユー…シスっ…」


ユーシス、その人だった。









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