-astral-星に捧ぐ少女
「おい、馬鹿共!!!」
―ガツンッ、ガツンッ
「ぐえっ!!」
「うがっ!!?」
ユーシスとダンテが同時にうめき声を上げた。
「嬢ちゃんが困ってんだろーが。馬鹿騒ぎはよそでやれ、ガキが」
ジード隊長が二人の頭に拳を落とし、怒鳴りつけた。
「あはは、フィリアさんは可愛いからね」
よしよしとエイゼ様が私の頭を撫でる。
「エイゼ様…私は何かいけない事を…?」
「大丈夫。彼等がフィリアさんを大切に思うからこそだよ」
エイゼ様の答えに二人は顔を赤らめる。
「お兄様!!二人は相思相愛なんです!!ちょっかい出さないで下さい!!」
「チッ…」
腰に手をあて声を上げるテレサにダンテは舌打ちをした。
「まぁっ!!!お兄様、今舌打ちしましたね!!許しません!!謝って下さい!!」
「子供か、お前は」
「お兄様が子供なんです!!」
船に乗って何度目かの兄妹喧嘩が始まった。