-astral-星に捧ぐ少女


「おい、馬鹿共!!!」

―ガツンッ、ガツンッ


「ぐえっ!!」

「うがっ!!?」


ユーシスとダンテが同時にうめき声を上げた。


「嬢ちゃんが困ってんだろーが。馬鹿騒ぎはよそでやれ、ガキが」


ジード隊長が二人の頭に拳を落とし、怒鳴りつけた。


「あはは、フィリアさんは可愛いからね」


よしよしとエイゼ様が私の頭を撫でる。



「エイゼ様…私は何かいけない事を…?」

「大丈夫。彼等がフィリアさんを大切に思うからこそだよ」


エイゼ様の答えに二人は顔を赤らめる。


「お兄様!!二人は相思相愛なんです!!ちょっかい出さないで下さい!!」

「チッ…」


腰に手をあて声を上げるテレサにダンテは舌打ちをした。


「まぁっ!!!お兄様、今舌打ちしましたね!!許しません!!謝って下さい!!」

「子供か、お前は」

「お兄様が子供なんです!!」


船に乗って何度目かの兄妹喧嘩が始まった。








< 283 / 357 >

この作品をシェア

pagetop