-astral-星に捧ぐ少女
「ロスト…」
膨れ上がる憎しみを感じる。
そう、何度も何度もこの人に大切なモノを奪われた。
私の守ろうとするモノを全て壊した人…
「許さない……」
「あぁ、その憎しみに染まってしまえばいい。そして今度こそ私に世界の冠を授けてくれ」
ロストは狂ったように私を見つめる。
「…繰り返される悲劇をまた繰り返すのはもう疲れただろう?もう私に全て委ねてしまえばいい」
私の見た未来。
そこで私が時を戻した事を皆は知らない。
私だけが知る……―悲劇。
「繰り返す?」
私を庇うように立っているユーシスが首を傾げた。
「ユーシス・コート、繰り返すのは人間の死、壊れた世界…だよ」
「壊れた…?あなたが壊したの間違いでしょう?」
自分でも驚くくらい冷たい声が出た。
失われた未来での記憶が、感情だけを私に残していたかのように憎しみが溢れ出る。
「未来…?それとフィリアに何の関係があるんだ?」
「…ユーシス……」
巻き込みたくないと遠ざけてた。
でも……
私は一人じゃない。
それをユーシスが教えてくれました。
だから………