-astral-星に捧ぐ少女


「今は過去で、未来では世界は滅びたって事か?」

「そうなります」


ユーシスの言葉にそう答えると、皆神妙な顔で考え込んでいた。


「何度も滅び、何度も壊したんだけどね、そこのお嬢さんが何度も時を戻したんだよ。おかげで、私は何回も壊す快楽を味わえた!」



ロストは興奮したように身振りを大きくし、声を上げた。


壊す…快楽……


それを私は何度もロストに与えた…


その快楽にはまったロストは何度も何度も私の大切な世界を壊す。


私の…取り戻したい世界…


「1万962回」

「…え…………?」


ロストが何かを呟いた。


「私が世界を壊した回数、そして、フィリア・ガーラント、あなたが時を戻した回数だよ!!」


「っ…ロスト!!!」


怒りで声が震える。
悔しくて泣きそうだった。

それでも泣いたら負けだと思い、必死に我慢する。



あの時、初めてロストに会った時…


ロストは1万963回目の悲劇を初めようと言った。


それは今回も世界を壊すという事。


そういう意味だったんですね……









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