-astral-星に捧ぐ少女


「1万962回も時を戻してあの鳥籠に戻り、親を失い、愛した者も失う。それを繰り返してもまだ諦めないのかい?」


鳥籠……

そうですね、あの鳥籠の中で過ごした時間は永遠のようにさえ感じられた。


途方も無い時間をあの籠の中で生きた。


「この世界にあなたが命をかける理由などないだろうに」


…そうでしょうか…?
確かに私は、この運命も力も憎んだ。


でも……


「鳥籠を飛び出した先に、私の居場所があると分かっていたから…」


あの時、全ての記憶と引き換えにして巻き戻した未来の私は、また皆に会えると分かっていたから…


「私は何度あの冷たい鳥籠へ戻っても、未来を変えようと思ったのです」


何度…
お父さんとお母さんを失っても…


「…フィリア・ガーラント、ならあなたはまた戦うのかい?」

「え………?」

「僕と…だよ、フィリア」

「…ロイ兄さん!?」


突然、ロストの隣にロイ兄さんが現れた。


ロイ兄さんっ…
良かった…無事で……










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