-astral-星に捧ぐ少女


「フィリア、君に選ぶ権利をあげる」

「選ぶ…権利……?」

「僕と共に世界を壊すか、彼等と共にここで死ぬか」


……世界を…壊す…?
ロイ兄さんが?


ロイ兄さんは今何を言ったのだろうか…


聞こえていたはずなのに、理解が出来ない。


だって……


ロイ兄さんは私に世界を壊すか、ここで死ぬかと言った。


「ロイ兄さん…どうして…?」


どうしてそんな酷い事を言うのですか…?


私は…どちらも選べない。私は、世界を守り、皆と生きる道を選んだのですから…


「酷い?酷いのは僕等を利用しようと檻に閉じ込めた人間。人柱として僕等の魂を繋いで、何度も何度も殺した神。それも、こんな世界があるからだ」


「それは……」


違う…なんて言えません。私も、同じ事を思った事がありました。


こんな運命を何度呪ったことか…









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