-astral-星に捧ぐ少女
「まさか…」
こんな時に代償の影響が?
でも…
「今、倒れるわけにはいきません…」
ロイ兄さんを止めなくては!!
「白銀のアストラル!!」
―バサッ
「フィリア!?」
ユーシスの腕をすり抜け、ロイ兄さんの所へと飛ぶ。
『漆黒の矢を…』
「させません!!!」
―バァァァンッ!!!
ロイ兄さんの力を自分の力で吹き飛ばす。
「ぬるいよ」
「っ…」
―ダァアアンッ!!!
ロイ兄さんが私の背に回り、思いっきり吹き飛ばした。
背中を地面に叩きつけ、何度も跳ねる。
「かっ…は…」
呼吸が出来ない…
朧げにロイ兄さんを見上げると、ロイ兄さんが私を狙いにして矢を放つ所だった。
まずいっ……
「させるかぁぁああ!!!」
―ボワァァッ!!!
突然私を守るように風が吹き、ロイ兄さんの矢を弾いた。
「ただのアストラルがロストアストラルを止めた?興味深いね…」
ロストは目を見張りながらユーシスを見遣った。
「ユーシスはアストラルとの関係が良いからな。アストラル自体の力がたいしたことなくても、使い方しだいで威力は何倍にも膨れ上がる」
ジード隊長は誇らしそうにユーシスを見つめる。
「あいつは騎士だ。守る者がいるアイツに、生半可な覚悟じゃ勝てねぇぜ、ロストさんよ」
「ジードの言う通りだよ。君達は今回負ける。僕等はもう同じ悲劇を繰り返さない」
エイゼ様の言葉に、ロストは馬鹿にしたような笑みを浮かべた。