-astral-星に捧ぐ少女


「兄さん…」

「フィリア…」


私達は見つめ合い次の一手を撃とうとする。


「こんなのおかしいだろ!!フィリアはお前の妹だろ!?」


ユーシスが私とロイ兄さんの間に立つ。


「ユーシスっ…どいて下さい…」

「死にたいのか?」


私達の言葉にユーシスは怒ったように声を荒げた。


「ふざけるな!!!兄妹だろ!!辛いくせに戦うなよ!!」


―ドクンッ


辛い……
そう、私は辛い。



今も涙が止まらない。
大好きな兄さんに向けたこの手を下ろしたい。


でも…私にも守らなきゃならないものがあります…


だからこの手を下ろすわけには…


「ロイって言ったか!!お前、迷ってるだろ!!」

「…っ……………」


ユーシスの言葉にロイ兄さんは一瞬怯んだ。


「ロイ…兄さん……?」


迷ってるって……
どういう事ですか……?










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