-astral-星に捧ぐ少女
「未来は今変わりました」
私の知る未来では、兄さんとは解り合うことなく兄さんが死んでしまう。
でも…
ユーシスが気づかせてくれました。
ロイ兄さんの心を開いてくれた。
「みたいだね。でもそれだけだ。定められた因果は定められた通りにしかならない。異端を世界は受け付けない」
定められた因果…
「それがどうしたというんだ」
隣にいた兄さんが私の手を強く握りしめた。
兄さん…………
兄さんの手が震えてる。
ロストを恐れているのですね…
それでも、兄さんは私の手をとってくれた。
なら……
―ギュッ
私も兄さんの手を握り返した。
「運命、因果、定め?そんなもの、僕が壊すよ」
「生意気な。でも、無理だよ。君は因果どころか、世界をも壊す」
「ならば、私は世界を守る。兄さんに世界は壊させません」
私達は二人揃って一つだ。相いれないからこそ表裏一体。
「一万962回目の世界では君達の繋がりは今ほど強くは無かったのに…」
ロストはさらに笑みを深めた。
「面白い…面白いよ!!これが1万963回目の世界の希望、フィリア・ガーラントなんだね!!」
ロストは両手を広げながら天へと叫んだ。
「アイツ、いかれ野郎だな」
「あぁ、本当に相手にしずらいよ」
エイゼ様が余裕なさげに笑った。