-astral-星に捧ぐ少女
「うーん僕としてはロストアストラルが集まってしまうのは都合が悪いな」
そうだ、今ロストアストラルは私達の元に揃った。
「皆さん」
私と兄さんはユーシス達の元へと下り、顔を見合わせた。
テレサやシエルナ、エイゼ様が頷く。
今なら世界を救える。
私の、ずっと守りたかった世界を今なら……
「だからね、簡単には返さない。今こそ、私が世界を破滅させる絶好の機会だからね」
そう言ってロストはパチンッと指を鳴らす。
―グワンッ
突然、ロストの背景が歪んだ。
そこから手のようなものがいくつも出てきた。
「なんだ!!?」
「ユー…シス……」
私は恐怖でユーシスの服の袖を掴む。
「フィリア、大丈夫だ。絶対に守ってやるから」
ユーシスが私を庇うように前へ出た。
ユーシス……
この人がいてくれて良かった…
あなたがいるから…
「すみません、私はもう逃げないと決めたのに…」
ユーシスの隣に立ち、目の前に現れた人型の化け物を見据える。