-astral-星に捧ぐ少女


―苦シイ…

「っ…く………」

―助ケテクレ…助ケ…


声が聞こえる……
読心のアストラルのせいみたいだ。


全く……
なんだ、このおぞましい心の闇は…


「…はっ……」

―死ニタクナド…


君達は…生きてるの?


―助ケ…

―助ケテ…

―助ケテ


助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ助ケテ


「う、…うぁああっ!!」


俺は必死に耳を塞ぐ。
まるで呪いのようだ。


「…カース」


―リィィンッ


…な…んだ……?


突然、声が止んだ。
変わりに鈴の音が聞こえる。


「聞いてはいけない。カースまでのみこまれるぞ」


―リィィンッ


「…ぁ……」


視界が開けるように先程まで見ていた風景が戻ってくる。


―フワッ


…なん…だ……?


優しい匂いがした。








< 308 / 357 >

この作品をシェア

pagetop