-astral-星に捧ぐ少女
『では欲せよ…莫大な代償と共に圧倒する力を宿せ』
―私は…力を望みます。
「白銀のアストラル!!」
『白銀の翼をはためかせ』
―バサッ
白銀の翼が私の背から生える。羽が舞い、それはまるで星のように輝く。
「フィリア、僕も共に戦おう」
―バサッ
ロイ兄さんが漆黒の翼をはためかせ、私の隣に立つ。
「兄さん…」
「僕達は光と闇、白と黒、再生と破壊。互いに違うものではあるけれど、常に表裏一体の関係にある唯一無二の存在」
…そうだ。
私達は双子でありながら、決して相いれない存在。
決して、別れる事の無い対。
「ありがとう、兄さん。絶対に皆を…」
「あぁ。絶対に守ろう」
私と兄さんは笑顔で頷き合う。
たとえここで命が絶えてしまっても…
「…一人では逝かせませんよ」
そう決意した時、私の手を誰かが掴んだ。
「僕達は運命共同体だからな」
私の左手をテレサ、右手をシエルナが掴んでいた。
「ここで死ぬなんて駄目だよ。それは本当の意味で世界を救えた事にはならない」
「エイゼ様……」
エイゼ様が私の頭を優しく撫でた。