-astral-星に捧ぐ少女
「あんた…シエルナに何をした?」
驚くほど冷たい声でカースはロストを睨みつける。
「あなた達が知らない彼女の秘密を教えてあげようとしたんだよ」
「秘密?勝手に人の秘密ばらして楽しむなんて悪趣味だよね」
カースは殺気をあらわにして剣を構える。
「シエルナ、俺はシエルナのどんな秘密を聞いても君を嫌ったりしない」
「っ…カース…」
カースはシエルナに背を向けながら安心させるように語りかけた。
「シエルナはシエルナだ。たとえどんな闇を抱えていたとしても」
「どうしてだ…?僕の為にどうして…」
シエルナは涙に濡れた瞳でカースを見上げる。
広い…背中だ…
この背中だけは、僕の味方なんだな…
「わからない?俺はシエルナが好きだからだよ」
…今なんて…?
「好き…?」
「そう、シエルナが好きだから」
何で…なんだ…?
僕とカースは出会ったばかりなのに…
どうしてそこまで迷いなく好きと言えるんだよ…