-astral-星に捧ぐ少女


「フィリアの孤独に触れて、俺がフィリアの居場所になれればって…」

「私に…居場所をくれたのはユーシスです…」



ユーシスに出会って初めて、私は居場所を見つけた。


「何もかも無くした私に、居場所をくれてありがとうございます…」


私がこの世界を好きになれたのはあなたと出会えたからです。


「この髪飾りも…本当に嬉しかった…」


ユーシスに貰った翡翠色の髪飾り…


私の一番の宝物です…


「俺…初めて会った時からフィリアを…」


初めて会った時からユーシスを…


「好きだった」

「…っ……」


その言葉に私は涙を止められなかった。


好きだった…
私もきっと、ユーシスと初めて会ったその日から…


今なら分かる。
好きだという気持ち…


誰かを愛しく想う、温かくて切ない気持ち…


「俺、フィリアが…」


ユーシスも涙を浮かべて私を見つめている。


私は…ここで気持ちを伝えられない。


私は…ユーシスを置いていく側の人間だから…






< 337 / 357 >

この作品をシェア

pagetop