-astral-星に捧ぐ少女
「ほう、君も星群?驚いた、星群は希少だからね。私も初めて見たよ」
「わらわもだ。厄介な相手だのう…」
ユラさんは眉間にシワを寄せて一歩前に出る。
「ほれユーシス。わらわ達を守ってくれ」
「ユラさん!?」
ユーシスがユラさんの声に気付きこちらに走り寄ってくる。
「ユーシス、時間が無い。ロストを足止めしてくれ」
「ユラさん、でも…」
「フィリア、わらわ達は今一秒でも惜しい。わらわ達が渋れば渋るほど多くの命が無に還る」
「あ……」
そうだ。
私達が少しでも早く審議を行う事が皆の為になる。
「大丈夫だ、任せろフィリア。俺はフィリアの力になりたい」
「ユーシス…どうしてそこまで…」
私に優しくしてくれるのですか?
私は…あなたの気持ちに応えられないのに…
「分からないか?俺がフィリアを好きだからだ。離れてもずっとフィリアだけを想うから…」
ユーシスは剣を構えてロストに向き直る。
「フィリア…」
ユーシスは私に背を向けて私の名前を呼んだ。
あぁ…この背中はいつも私を守ってくれた。
「信じてくれ」
私の大好きな背中…
守りたい人の背中…
「信じてる…負けないで下さい…ユーシスっ…」
だから私も私の出来る事をしよう。
「任せろ!!」
ユーシスが駆け出す。
私はユーシスに背を向けた。
「…信じています…ユーシス…」
私は小さく呟いた。