-astral-星に捧ぐ少女


「我等は世界の命運。汝等に問う、この世界の存続と破壊の二択を」


私はシエルナへと視線を向ける。


「反魂の…星…、存続…」


シエルナは荒い息でそう答えた。


続けてテレサに視線を向ける。


「世音の星、存続です」


テレサの言葉に私は頷く。それからエイゼ様を見遣る。


「神瞳の星、存続」


私は頷いてそのままユラさんへと視線を向ける。


「虚無の星、存続じゃ」


これで私と兄さんを除く4星が答えを出した。


「兄さん…」

「そうだね」


私達は向き合い手を重ねた。


「我、白銀の星、存続」

「我、漆黒の星、存続」



―パァアアアッ


私達6人の体が光り輝く。



『それがメティアの答えか』


メディア…
それは私達の昔の文明の名前。


そしてこの声は……


『我はこのアストラルに支配された、星が世を動かす世界の神ぞ』


神……
私達を世界の人柱とした神…


『存続、しかと受け取ろう』

「な…に……?」


ロストはユーシスの剣を受けながら目を見開く。


「世界が存続すると?未来が変わったのか…?」


ロストはよろよろと後ずさる。


―パァアアアッ


『次の審議に備え、我がゆりかごで眠れ』


私達の体が消えていく。



あぁ…これでやっと…


―ガクンッ


「っ…体がっ………」


体に力が入らない。
苦しい…
地面について必死に息を整える。



「私は世界を救えたのですね……」


私は空を見上げる。
そこには美しい青空が広がっていた。



「嘘だぁぁぁっ!!!!」


ロストが悲鳴を上げた。


青空から目を離しロストを見ると、ロストの体が消えかけていた。


「消える!!!消えてしまうぅ!!!」


ロストは狂ったように叫ぶ。


「くそっ…逃がすかっ…」


血だらけのユーシスが剣を構えてロストを見据える。


「ユー…シス…」



あんな体で…
無茶をしては……


「逃げる…?この私が逃げる!!!?」


また狂ったようにロストが叫ぶ。












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