-astral-星に捧ぐ少女


―グサッ

「っ………」


背中と胸に違和感を感じる。じわじわと何かが染みるのがわかった。


「…お…れ……」


目をつぶっていたユーシスが目を開ける。


私はユーシスを見て微笑んだ。


「ユー…シス…」



良かった…
あなたを守れたんですね…


私を刺したロストはすでに消えていた。


ロストはこの世界を破壊する側の人間。


だからこそ存続が決まったこの世界で不要とされたのだろう。


「フィリア…どうしてここに…」


ユーシスは困惑したように私を見上げている。


そんなユーシスの頬に私は手を伸ばした。


「…ユーシス…良かっ…た…」


―ポタッ


涙が流れた。



「フィリア?どうし…っ!!!?」


ユーシスは私の胸を見て言葉を詰まらせた。


ユーシスの目はじっと私の胸に向けられている。


「…フィ…リア…どうして…こんなっ…」


ユーシスは震えた声でそう言った。










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