-astral-星に捧ぐ少女
「…そんな…顔…しないで…」
剣が刺さった私の胸元を見て泣きそうな顔をするユーシスに私はただ笑みを向ける。
「ユーシス…」
今はただこの事を重荷に思ってほしくない。
なら……
私はユーシスの額に口づけた。
「!!?フィリア…?」
「ユーシス…。大好きです…」
私はあなたが好きだから最後まであなたの為に生き、あなたの為だけに死にたかった。
「私は…あなたが…好き……。ユーシスが…教えて…くれた…気持ちで…す…」
誰かを命懸けで愛すること。それがどんなに私の心を満たした事かあなたは知らないでしょう。
でも……
これだけは分かって欲しい。
「私は…ユーシスだけをずっと愛して…いま…す…」
「まってくれ!!目を閉じるな!!」
あぁ…いけません…
まだあなたに伝えきれてない…
「やっと通じたのに!!なんでっ…死ぬな!!!」
「…私…ユーシスに…会えて…良かった…です…」
―ポタッ
涙がユーシスの頬に落ちていく。
「やっぱりフィリアを失いたくない!!俺を一人にするな!!」
「私…も…離れ…たく…な…」
ずっと傍で生きていきたかった…
「あぁっ…もうこんなに消えて…行かないでくれ…好きなんだ、フィリアが!!」
私も…あなたが大好きです。ユーシスが私の全てでした…
「ユーシス…幸せ…に…」
「…っ…フィリアァァァ!!!!」
最後に名前を呼ばれた気がした。
さよなら…私の愛した世界…
私の…愛した…世界…