-astral-星に捧ぐ少女


私は知らなかった…

ずっと嫌っていた力に今、涙が溢れる程感謝をしている事…


私は知った…

誰かを傷付けるだけのこの力が、世界を、私を愛してくれていたこと…


そして…


全てに絶望していた私に…希望をくれたこと…



「白銀のアストラル…私はずっとあなたを想い空を見上げます…」

『ならば我は、強く気高く輝こう。お前に見つけてもらえるように…』


―バサッ



「これ…は……?」


私の背中に白銀の翼が生えた。


『フィリア・ガーラント…。その翼は道標。お前の居場所にたどり着いた時、その翼は役目を終え消えようぞ』


「白銀のアストラル…」

『…我が名はラクアエル。お前だけに名を語る事を許そう』


ラクアエル…


『フィリア・ガーラント、我が子等を頼む』


また知らない声が聞こえた。私の前に5つの光が現れた。


『我等との繋がりを断ち、彼等も未来で生きるのだ』


彼等って…


「では兄さん達も…」


『お前に頼みたい』


その言葉に私は強く頷いた。



『さあ行け…お前の求める場所へ、白銀の翼をはためかせて…』



―バサッ


「さよなら…ラクアエル…」


私は皆の光を抱きしめて羽ばたいた。


紡いだ未来へ…








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