-astral-星に捧ぐ少女

星に捧ぐ少女



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一年後


「フィリア…」


沢山の花が咲き誇る中、ユーシスは一人立ち尽くしていた。


「ここで初めて、フィリアに出会ったんだよな…」


今でも昨日のように思い出せる。


あの儚くて美しい少女に恋をした。


今でもずっと想ってる。


「フィリア…好きだ。ずっと好きだ…」


ユーシスは青いレゴリアの花を手に青空を見上げた。

あれから一年。
何故か俺達はアストラルの力を失った。


この世界からアストラルが消えたのだ。


「なぁ、フィリア…。俺、騎士団の隊長になったんだ」


ジード隊長は騎士を止め、大臣となってこの国を動かしている。


今もまだ王は不在だ。



「フィリア、また来るよ…」


いつしか、ここをフィリアの墓代わりにしていた。


それでもまだ、死を受け入れられずにいる。


またここで会えるんじゃないか、そんな期待をしながら…









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