-astral-星に捧ぐ少女


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―バサッ


「…あっ…ここ…は…?」



私は目を覚ますと、満開の花の中にいた。


翼は役目を終えたといわんばかりに消えた。



そこに見覚えのある青い花を見つける。



「レゴリア…」



ユーシスが教えてくれた青く美しい花…


「ユーシス…」


その花を手に取り、私は泣きそうになるのを我慢した。


―会いたい…
あの人に会いたい…



「あっ…」


視界のはしに見覚えのある人を見つけた。


「嘘…本当に会えるなんて…」


ユーシス、その人だった。その背中が遠ざかっていく。


「…っ…」


私は勢い良く駆け出した。風を感じる。


早く…あなたの声を聞きたい。


急に目の前のユーシスが立ち止まった。


それから勢い良く振り返る。


「…誰だ!!!って……」

「あっ…」

―ダンッ


勢い良く止まったユーシスに私は突っ込んでしまった。


そのまま二人で花畑の中に倒れ込む。










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