-astral-星に捧ぐ少女
「…フィリア・ガーラント、目が覚めたならさっさと起きろ。ラージシア大陸まで渡るには一月かかるんだからな」
突然聞こえたダンテの声に私とユーシスは同時に振り返った。
「ダンテさん、いつの間に……」
「何でお前がここにいるんだよ!?」
ダンテさんは私のベッドにドカッと座り、腕を組む。
「そんな事いちいち気にしてんじゃねぇよ」
「気にしろよ!!!」
睨み合う二人をどうしたらいいかワタワタしていると、部屋をノックする音が聞こえた。
「はい」
返事をすると、扉を開けてエイゼ様、カースさん、ジード隊長がぞろぞろと部屋に入って来た。
「やぁ、フィリアさん。体調の方はどうかな?」
エイゼ様は私に笑みを向けた。
「はい、何ともありません。ご迷惑をおかけしました」
ペコッと頭を下げると、ポンッと頭に誰かが手を置いた。
顔を上げると……
「迷惑なんて事はねぇさ。嬢ちゃんは律儀だなぁ!」
ニカッと笑った隊長に私も笑みを返した。
「フィリアさん、フィリアさんの代償って一体どんなものなの?」
カースさんの言葉にドクンッと心臓が跳ねた。
私の代償…それを話したら皆に心配をかけてしまいます……
「…あの………」
言い淀んでいると、エイゼ様が私の肩に手を置いた。