-astral-星に捧ぐ少女
―トントン
「…はい………」
この凍てつくように冷えた塔の最上階にある塔を無慈悲に叩く音に私は小さく返事をする。
「食事だ」
それだけ言って看守は食事を地面へと置いた。
こうやって毎回運ばれてくる食事に手を付ける。
食事は冷たかった。
「…………早く…迎えに来て下さい……」
待っていますから…
お母さん…お父さん……
フィリアは…ずっと待っていますから……
涙がまた溢れている事に気づかないふりをして食事を続ける。
二人に会いたい……
だから今は生きなくちゃ…
そう自分にいい気かせて、冷たい食事を口に運んだ。