-astral-星に捧ぐ少女
『我と汝は紙一重であり、故に対と呼ばれる…。世界の存続を問う審判の時が近付き、汝は選択を迫られるであろう…』
存続…審判……?
「ファリア!!!」
突然聞こえた声に我に返ると、男の子が心配そうに私の顔をのぞき込んでいた。
「…ぁ…ロイ…さん…?」
「すまない、僕のアストラルに何か言われなかった?
君は気にしなくていい…何も知らなくていいんだ…」
愛おしそうに私を抱きしめたロイさんに私は何も言えなかった。
どうしてだろう……
私はこの人の温もりを知っている……
「…ファリア…どうか…元気で……」
―フワッ
「…ぁ…待って下さい!!!」
急に消えた温もりに悲しさが込み上げる。
温もりが消えた時にはもう、二人の姿はなかった。
「ファリア!!
待たせて悪かった、ああいう店に入るのは色々と勇気が…必要……で………ファリア!?」
ユーシスは私の肩を掴み心配そうに顔をのぞき込んでくる。
「ユーシス…?
どうしたんですか?」
「それは俺の台詞だって!!何で泣いてんだ!!?」
泣いて………?
自分の頬に触れると、冷たい雫が手に触れた。
「あ…れ……?
何故でしょう…涙が…止まらないっ……」
悲しくて悲しくて……
心が苦しい……
どうして…理由を知りたいのに分からない……