-astral-星に捧ぐ少女


『ロイ…兄さん…もう一人ぼっちは…嫌です…』


ポロポロと流れる涙がロイの頬へと落ちてゆく。


ロイ…兄さん……?



『…兄さん…か……。
ずっと…そう…呼ばれ…かった……』


どういう…事でしょうか…

私は一人娘だったはず…
お父さんとお母さんは何も言ってなかった…


『…僕は…分から…なかった…。この世界は…僕にとっても…君にとっても…害にしかならない場所だったはずだ…僕等には居場所なんて…なかったはずだ…なのに…』


ロイは涙を流し、私を見上げた。


『残酷なだけのこの世界に…フィリア、君は居場所を見つけていたんだな…』


まるでこれで安心だと言わんばかりにロイは笑みを浮かべる。


遠くに行ってしまう…
何故かそんな気がした。


『…兄さんの居場所はここです。私が兄さんの帰る場所です…だから…残酷だなんて言わないで…これから…これから作っていけばいいんです!!残酷なだけじゃない…幸せな時間を!!』



どこかで聞いた言葉ですね…
あれは確か………



そう、私がロイと同じように世界に絶望していた時、ユーシスが言った言葉…


"これから作ればいい"


彼はそう言ってくれた。
その言葉を今度は私がかけているなんて……


未来の私はきっと見つけたのでしょうね……


居場所を…幸せを……










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