-astral-星に捧ぐ少女


『…どうして……君と僕は同じだった…でも君は前を向いてる…。僕とは違かった…』


私は首を振る。


『私は兄さんと同じでした。大切な二人を亡くし、自分のせいで誰かを傷つける…自分が傷つくならいい、こんな残酷な世界に絶望していました。でも…』


教えてくれた人がいた。
支えてくれた人がいた。
笑顔をくれた人がいた。
勇気をくれた人がいた。


未来の私の心まで共有するように伝わってくる。


『私は沢山の人に優しさをもらったんです…そして愛する人を見つけた。だから…私は前を見る事が出来ました。今度は誰かを救いたい…私が救ってもらったように…』


この人を救いたい…
もう失いたくない。


そんな気持ちが胸いっぱいに広がっていく。



『…救われたよ……』

『…え………?』



ロイの言葉に私は目を見開いた。


『フィリアが…僕の存在を認めてくれた…。僕はそれだけで……』


そう言ってどんどん瞼が閉じていく。


『兄さん!!!』


ロイはかろうじて笑みを作る。


『…愛してるよ…僕の大切な………』


握りしめた手から力が抜けた。涙はロイの頬を伝い私の服を濡らす。


『…ぁ……兄さん……?
嫌…嫌あぁぁぁぁーっ!!』



まだ温もりの残ったロイの体を抱きしめて泣いた。










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