小学生と暴走族【夜桜】
「俺さぁ、実は、弱いんだ」
いきなり話し出した
「いつもは強がってるけど、ほんとは弱虫なんだ
影でかくれてただ怯えてるだけの、卑怯者なんだ」
「……知ってるよ」
「え?」
「私、鈴が影でないてるの、知ってる
でも、たまには私たちを頼ってくれてもいいんじゃないかな……?」
小さな月が、鈴と私を照らしていた
鈴は、しばらくだまったあと、しゃがんで私を抱きしめた
「……っ…」
たぶん、ないているんだろうか
私は静かに抱きしめ返した