魔性の女? 受付嬢・小出めぐみの秘密
 小出さんの場合は人の彼氏を取ったものだから、私に対して気まずく感じているのかもしれない。

 イイんだよ、別に気にしなくても。

 堂々と交際してても私は何とも思わないし。

 和也を取られた悔しい思いと嫉妬心なんて、もう吹き飛んじゃったしね。

 私は再度、声をかけた。

「小出さん、おはようございます」



「…」

 無視…。

 横に座っている君江ちゃんがたまりかねて、肘で小出さんを突付いた。

「なーにシカトしているの!? ちゃんと、挨拶しなさいよ!」

 すると小出さんは、私の方に慌てて顔を向けて軽く頭を下げた。

「お、おはよう、ございま…っす…」

 何だかハッキリとした口調では無い挨拶の言葉である。

 私のいつもとは違う態度に、小出さんは戸惑いを隠せないでいる
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