魔性の女? 受付嬢・小出めぐみの秘密
 小出さん本人には気付かれないハズだ。

 でも変に近付き過ぎて怪しまれないよう注意しなければならない。

 揺れる車内で小出さんは、ケータイを取り出していた。

 キーを操作し、どこかへ電話を掛け始める。

 車内ではケータイの通話は控えるべきのハズだけど?

 そんなマナー違反なんてお構いなく、平然と電話をしている。

 3つ目の駅で小出さんは下車し始めたので、私も一緒に下車した。

 改札口を通り、エレベーターで地上へと上って行く。

 私の方は階段を上って急いで先回りした。

 駅の外は、大きな幹線道路に面していた。

 夜のとばりが下りた今の時間帯は、かなり混雑している。

 客待ちのタクシーが両側の路肩にズラリと並ぶ間を、多くのクルマや路線バスが行き交っているのだ。


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