魔性の女? 受付嬢・小出めぐみの秘密
 もちろん嘘である。

 何も知らない隼人は、めぐみの不満を鵜呑みにして怒りの思いを抱
いた。

 怖い顔をする隼人。

「電話かメールが来たのか?」

「メールが来たんだけどね」

「どんなメールだよ? 見せてみろや」

「ゴメン。もう、全て削除しちゃったから」

「誰なんだ? 俺の女に手を出すヤツは」

「私より2歳年上の男で、派遣会社でバイトしてるの」

「フリーターかよ?」

「そう」

「どんなヤツなんだ?」

「両親と一緒に住んでて、すっごいマザコンなんだよ」

「へー、マザコンねぇ」

「女のコと付き合うのに、いちいち親に相談したりアドバイス受けちゃうんだからねぇ」

 相手の男の話しを聞いて、隼人は苦笑いした。

「そんなつまらねーヤツからもお前、好かれているんだ?」

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