魔性の女? 受付嬢・小出めぐみの秘密
 リズム良く投げ飛ばしたり、腕を捻り上げたり、腹部に拳で一撃を浴びせたのだ。

「!?」

 私の咄嗟の行動を見て、江崎先輩は呆然と立ち尽くした。

 今までずっと、私は物静かな雰囲気を見せていたから、内なる強さを目の当たりにして驚いたに違いない。

「テメェ!」

 悔しい表情を見せる弓田さんは、近くの花瓶を手にした。

 活けてある花を中の水ごと床に捨て、私に襲い掛かろうと身構える。

 私の方は素手。丸腰状態である。

 花瓶は結構、大きいから頭にも当たったら怪我は免れないだろう。

 喧嘩に自信有る私も、さすがにこの状態では緊張して足がすくんでしまう。

 この時だ。

 弓田さんの背後に誰かが寄り添って、強引に花瓶を取り上げた。

 これには弓田さん、大慌てである。

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