魔性の女? 受付嬢・小出めぐみの秘密
 この後も俺たちはジックリと話し合った。

 そして小出さんは少し安心した表情で帰宅した。

 まだ結論は達してはいない。

 俺の方の気持ちの整理が付いていないからだ。

「良い返事を出すからな」と俺は彼女には伝えるだけに留めておいた。

 それから俺はゆっくりと考えた。

 小出さんの希望を受け入れるかどうかである。

 駆け落ちとなると、当然ながら俺も身を羽目になる。

 会社を退職しなければならないし、今住んでいるこのマンションの部屋も引き払わなければならない。

 やっと安定した今の生活環境が根底から崩れてしまうって構図だ。

 さぁ、どうする?

 俺…藤瀬和也は、どう判断すべきか?

  男なら男らしく、恋人の願いを聞いてあげるのが筋っていうものだろう。

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