魔性の女？ 受付嬢・小出めぐみの秘密

　苦笑いしながら、俺は答えた。

「ま、まあね！」

　緊張したまま、俺は助手席で小さくなっているのだ。

　邪的な思いを抱いていたのが嘘みたいで、何だかな情けねーって感じである。

「どうして、緊張しているのですか？」

「どうしてって訊かれると返答に困るなぁ。榊原さんと２人だけで同じクルマに乗っているから緊張しちゃうのかな？」

「私と２人だけだと、緊張するのですか？」

「うん、まぁ」

「何だか私、怖い存在みたい」

「違う違う、誤解しないで。別にオタクの事を悪く思ってるんじゃない」

「じゃあ、何なのですか？」

「ええっとね…」

　誤解を招かないよう、キチンと説明しなくてはならない。

　榊原里奈も小出めぐみと同じ年下の女の子で、やはりマナー電機の野郎どもの憧れのマトである。