魔性の女? 受付嬢・小出めぐみの秘密
 腕時計を見る江崎先輩。

「私ィ、そろそろ帰るよ」

「ええ? 帰っちゃうんですかぁ?」

「うん、帰る」

「どうして、帰っちゃうんですか?」

 困ったような顔で質問する俺に、江崎先輩はため息混じに答える。

「だーかーら、私は用事があるって言ったじゃーん!」

「でしたよね」

 江崎先輩は小出さんをこの場に待たせると、いきなり俺を近くの樹木の下へ連れ込んだ。

 俺に指差して、命令口調に言う。

「いーい? 男らしく、ちゃーんとエスコートするのよ?」

「エスコートだなんて、キザな言い方しますよねぇ?」と、俺は苦笑い。

「あのね、私は真面目に言っているの。このコを満足させないと、私が承知しないからね」

 承知しないって…

 俺は戸惑っていた。

「マイッタなぁ」

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