魔性の女? 受付嬢・小出めぐみの秘密
「滅多に顔を合わせていなくても、気持ちは十分に通じ合ってるハズだよ。最初から恋人同士になっちゃえば、自然と理解し合うって」

 なるほど、小出さんが言う事も一理有りそうだ。

 でもこのまま恋人関係に入るなんて、俺の方が心の整理が付かない。

「俺は今すぐには、君を恋人としては受け入れていないけど…」

「どうして、受け入れないの?」

「そんな気持ち、持っていないからだよ。心の準備が、していないって言ったイイかな?」 

「心の準備なんて、オーバーな言い方」

 小出さんはこう言って、更に抱擁して来た。

「こ、小出さん!」

 ギュッと抱擁されて、俺は顔がカーッと熱くなった。

 心臓がドキドキして、身体が震える。

「めぐみって呼びなさい」

「めぐみさん!」

「さんは付けないの」

 
< 60 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop