残存リズム
日曜日、私はちゃんと紫音くんの所に訪れた。
紫音くんが準備をし始めるのを、ぼんやりと眺める私。
「紫音くんは、いつから音楽やってるの?」
ギターの弦の調節をしながら、紫音くんは、んーと考える。
「小さい頃から好きだったけど、初めてギター買ったのは高校の時!」
「そうなんだ。」
「今はねー音楽系の専門学校行ってるんだ♪」
へぇ、知らなかった。
年上だろうとは思ってたけど、正直プーなのかと思ってた。
勉強、してるんだ。
紫音くんがチラリとこちらを見る。
「凜は何が好きなの?」
私は少し考えて、素直に思ったまま答える。
「紫音くんの歌。」