残存リズム

通りゆく人達が、私を不審そうに眺める。

こんな所で泣いていては目立つ。

私は駅の隅に移動した。


この前、私が書き込みをした掲示板に気付く。

私が書き込んだ一言のそばに、新しい書き込み。



“偶然でも、運命でも”



その、走らせるような筆跡には見覚えがあった。


……紫音くん?


おさまっていた涙がまた溢れ出した。

だけど拭うことはせず、私は掲示板の文字を見つめていた。
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