フルーツ ドロップス
突然視界に誰かが入ってきた。
 「森川……君。」
 「質問に答えろや。お前が唐沢か?」
 「……そうです、けど、何か。」
俺は仕方なく、パンパンと砂を掃って立ち上がった。
彼は近くに来て始めてわかったことだけど、
背が俺よりも若干、小さかった。
 「てめぇと組め、ってセンコーに言われたんだよ。」
 「……だから、何ですか。」
 「組めって言われてんの!!さっきからそう言ってるだろ!?」
……彼は怒りながら、腰に手を当てた。
短気だな。理より短気かもしれない。
 「俺、組まなくても陸上できるから。悪いけど。」
 「そう言う意味じゃなくてだな、”俺もお前も相手がいないから”パートナーになれってセンコーに言われてんだよ。」
 「……あぁ。」
そう言う意味だったんだ。
彼は俺を見るとフンっと鼻で笑った。

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