大江戸妖怪物語
神門「いや、まさか・・・」
銀髪娘「黙りなさい」
娘は置いてあった刀を持ち、それを僕の喉元に突き立てた。喉仏にあたらないギリギリの距離で。喋ったら刀の先で喉が切れてしまうくらいに近い。
神門「まさか君・・・とんでもない冷え性?」
銀髪娘「は?」
銀髪娘は素っ頓狂な声を上げて目を丸くした。
銀髪娘「お前・・・名を何と申す?」
・・・は?
黙れとか言ってたのに、答えろって!?しかも喋ったら首切れちゃうって!
銀髪娘「早く答えなさい。言えないの?」
神門「・・・僕は刃派の一人息子、紅蓮神門だ。すぐそこに、家はある」
銀髪娘「え?」
喉元から刀が離れる。拘束していた氷が解け、自由になった。自由を得られた瞬間、僕はその娘から離れた。
娘は面白そうに含み笑いをした。
銀髪娘「ふふっ・・・、紅蓮神門・・・。気になる名前だな。まぁ、命は助けてやろう」
神門「なんだよいったいッ?!さ、さよならー……!!」
僕は速攻で家へと帰った。
慌てて布団に潜り込む。
激しい運動のせいなのか、すぐに眠気が襲い、朝になった。
なんか、夢みてーだったな。
昨日のことが、夢だと思ってきた。にしては疲労感ハンパねぇーし・・・
母「神門ー!飯が出来たよー!」
神門「うーい!今行くって!」