大江戸妖怪物語


名前は何というのだろう。

鉄仮面?ポーカー?

よくわかんねえぇや。

僕は今来た路地を引き返し、甘深楽の前まで戻った。
そうして、家に帰ろうとした。

?「あの、ちょっといいかな」

突然、声を掛けられた。銀髪娘か、と思ったが振り向くとかなりの美人さんが佇んでいた。

?「甘深楽って、今日は休みなのかな?」

その女性は腰までありそうな長い黒髪に、胸を強調しまくっているよな着物から垣間見える谷間。
かといって妖艶とまではいきそうもなく、少々年上かと思われる。(アズ姐と同い年くらい)

神門「今日は早めに店じまいしたんです。いつもならこの時間帯はやってますよ」

?「そうなんだ。先ほど君が甘深楽から出てきたから、てっきり店が開いているものだと。とても有名な店なので、来てみたのだけど・・・」

神門「あ、それは・・・残念ですね・・・」

アズ姐は僕と話したいが為に店じまいした=明らかに僕のせい。

それはできるだけ口には出さないようにした。

神門「では、僕はこのへんで」

僕はその女性に別れを告げ、歩き始めようとした。

?「うぅ・・・お腹が減った・・・」

その女性はお腹を押さえ、『腹減りアピール』をしてきた。・・・待てよ、これは僕にどうにかしろということなのか。
結構、いい度胸してるじゃねぇか。

僕はその女性に背を向けているから、置いてきぼりにして帰ることもできる。

でも女性を置いていくことに対し、僕の紳士魂は許さなかった。


神門「・・・僕の家に来ますか?多少のご飯なら用意できるはずですけど・・・」

?「それは・・・私を誘っているの?ベッドに・・・」

神門「誘ってねぇ!腹減りアピールしたのはそっちだろうがぁ!」

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