大江戸妖怪物語
紳士魂もあきれ果て、置いていこうとしたが、女性は僕についてきた。
神門「あの、あなたのお名前は?」
釛「私の名前は佐波釛。君は?」
神門「釛さんって珍しい名前ですね・・・。僕は紅蓮神門。刃派の息子です」
釛「でも、真昼間から白昼堂々こんなに歩き回っていて。ニートなのかしら」
神門「違います!今から帰って、仕事です!お客様が待っているんですよ」
実は僕が帰る理由は、お客様を待たせているからだ。結構なお偉いさんで、刃派の刀を欲しがっていた。そして、僕が刀を作っている。
刃派の息子・・・とよく言われるが、(まぁ自分でも時々言うが)刀を作っているのは僕なので正直言うと僕は刃派の息子ではなく、刃派なのだ。
釛「あのさ、敬語はやめてくれる?私、タメ口のほうが好きなの。あなたのさっきのツッコミはナイスだったわよ」
改めて褒められると、結構恥ずかしいものである。
神門「・・・わかったよ、釛さん」
釛「釛でいいわ」
神門「・・・釛は兄弟っているの?」
少し動揺し、どうでもいいことを聞いてしまった。
釛「私は一人っ子よ。神門は?」
神門「僕も一人っ子。兄弟欲しいなー」
半ば打ち解けた所で家に着いた。お偉いさんはまだ来ていないらしい。
母「あら、神門おかえ・・・」
そういって奥から出てきた母さんは、驚きのあまりフリーズした。
・・・・・・
母「神門」
神門「な、何?」
母「何女の人誑かしてんのよ!このセクハラ息子がぁぁぁ!!!」
神門「誑かしてねぇ!!!セクハラもしてねぇ!!!何一つあってねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
僕は詳しい事情を母さんに話し終えると、母さんはやっと落ち着いたみたいだった。
母「よろしくね、えっと・・・何さんだっけ?」
神門「金の力って書いて、コガネって読むんだ。そうだよね?」
釛「えぇ、多少嫌な説明の仕方だけど、あっているわ」