大江戸妖怪物語
母「ごめんなさいねー。まだ、昼食の準備が出来ていないのよ。もうすぐお客様が来るから、その件が終わってからでいいかしら?」
釛「ご迷惑をおかけします。」
僕は作っておいた刀を取り出しに、蔵へと向かった。そして、刀を出し、蔵の戸を閉めようとしたところだった。
神門「・・・蜘蛛?」
小さい蜘蛛の群れが列を成していた。
神門「蟻の行列じゃなく、蜘蛛の行列かいッ!」
僕は蜘蛛にまでツッコミを入れてしまう痛い男になっていた。
でも、様子がおかしい。・・・虫の知らせ・・・?
でも、蜘蛛って虫だっけ?
蜘蛛網蜘蛛目の節足動物なハズ。虫じゃねぇ。ってことは、蜘蛛の知らせか?
でも、こんなに
小さい蜘蛛が、いったい何を僕に教えようとしているのか。
考えに耽っていると、蜘蛛の子を散らすように蜘蛛の子が散った。(まんまじゃねえか)
釛「神門。お客様がいらっしゃったわ。お母様に呼んで来いと言われて、呼びに来たの」
振り向くと釛がいた。
釛「何を見ていたの・・・?・・・蜘蛛?」
釛は、さっき蜘蛛の子を散らすように逃げた蜘蛛の一匹を見つけた。
釛「あの蜘蛛が、どうかしたの?」
神門「あ、いや、なんでもない」
僕は釛と一緒に家へと戻る。そこにはお客様がおり、僕の手に抱えられている桐の箱を見て、テンションMAXになった。
武士「あぁ、それが頼んであった刀でございますか。待ちくたびれておりましたよ、えぇ。では、さっそく出来を見せてください!」
お偉いさんは桐の箱を開けるように促した。僕は桐の箱を開け、刀を鞘から抜き、光を反射する刀を見せた。
武士「素晴らしい!これは君が作ったのですか!」
神門「えぇ、まぁ」
武士「まだ若いというのに将来有望ですな!では、前払いしておりましたので、これにて失礼させていただきます」
お偉いさんは暖簾を潜り、一礼して出て行った。
母「・・・さーて、じゃあご飯を作るわよ。釛さんは何が食べたい?」
母さんは台所へ行こうとする。僕はハンバーグといったが、レディーファーストじゃごるぁぁぁ!と言われ、釛の意見を聞く。