大江戸妖怪物語
釛「あ、すみません。私、感覚が麻痺して、お腹減った気がしなくなっちゃって。迷惑かけてすみません」
母「え、あ、そうなの?」
母さんも呆気にとられている感じだった。
神門「遠慮しなくていいんだよ。食べてけよ」
釛「ううん、ごめんね神門。また、今度」
釛は軽く走り、江戸の路地を駆け抜けて行った。
母「神門」
母さんは僕の肩をガシィッと掴む。
神門「何・・・??」
母「神門。女心と秋の空とは、このこった。神門にベッドは早い」
神門「いや、ベッドインするつもり無かったけど!?っていうか、それ以前に、僕、布団だけどぉ!?!?」
母「女っていうのはそういうもんさ、勉強になったろう」
僕はフルフルと超高速で首を横に振る。
客「あ、すみませーん」
僕がハンバーグを頬張っていると、お客様が来た。
ハンバーグを慌てて呑み込み、玄関に向かう。
客「ちょっと鎬が削れちゃって・・・。砥げますか?」
神門「かしこまりました。速攻で砥ぎますね」
このやり取りをしている最中、先ほどの瓦版の事件が起きていることを、僕は知らなかった。