大江戸妖怪物語
雪華「ったく、あいつら・・・マイペースにも程がある・・・」
神門「確かに、似た雰囲気はあるね・・・」
黒龍さんはどちらかというとヴィジュアル系で、口元に光るピアスが、太陽の光を反射する。
そして僕たちは寺の中へと戻った。木南も、勝常さんも元気そうだったので安心した。
雪華「さて・・・そろそろ江戸に戻るか・・・」
神門「え、もう?」
雪華「当たり前だ。お前だって、刃派の経営があるだろう」
生越とももうお別れか・・・と思うと、少しさびしく思えてくる。
黄梅「残念だけど・・・お別れかぁ~!」
木南「お別れ・・・・・・」
木南が顔を俯かせた。
黄梅「あのさあのさ!アタシ、江戸に行きたい!!もうちょっとしたら、江戸に言って、二人に会いに行くかんね!!」
神門「お!待ってるよー」
木南「あ、あの神門さん!!」
神門「ん?なに?」
木南「わ、私もいつか江戸に行きます・・・!・・・・・・また、会えますよね?」
神門「大丈夫だよ!いつでも刃派に来てくれれば!!」
木南の顔がパアッと明るくなる。
木南「わ、わかりました!!待っててください!」
神門「う、うん・・・?」
適当に返事をしてしまったが、大丈夫だろうか。
泰山王「あーあ。神門くんてば、鈍感~」
木南「なっ・・・ななななな!!!!!!」
泰山王が口を挟むと木南が顔を真っ赤にして思い切り後ずさりをした。
木南「ちょ、それは言わないでください~~!!!」
木南はアワアワしながら手をブンブン振った。
泰山王「はいはい。じゃあ行こうねー!さよならー・・・」
雪華「お邪魔した・・・さようなら・・・」
神門「う・・・うん!!バイバイ!!!」
神門「もっといたかったけどなー」
雪華「だったら二度と江戸に戻ってくるな。ここで暮らせ」
神門「そ、それは・・・やっぱり自分も故郷が恋しいです・・・って、・・・泰山王さんと黒龍さんは、いつまで着いてくるおつもりですか?」
泰山王「んー?江戸に帰るまでかな?それまでに神門くんを甚振りたいし」
神門「サッと怖いこと言わないでください!泰山王さんはいいとして、黒龍さんはどうするんですか・・・?」
黒龍「・・・黒龍でいいよ。あと、君は俺と同い年くらいだから敬語とかいらないー」
神門「あ、う・・・うん、わかったよ・・・。・・・で黒龍、江戸まで歩いていくつもりか?」
黒龍「別に疲れたら龍の姿になって江戸まで飛んでいくけど」
神門「江戸が明らかにパニックになるからやめて!!」