大江戸妖怪物語
いやはや、本当にこの人だったらやりかねない・・・!!もしそんなことがあれば、雪華と一緒に止めなくては・・・!!
泰山王「それじゃ、俺は、今から御薬袋霧雨になるから、そこんとこよろしくー」
そういうと、泰山王さんは一瞬で白衣のような割烹着のような白装束に恰好を変えた。
神門「そういえば、その御薬袋霧雨って・・・」
雪華「それはソイツが人間界で使っている名前だ」
神門「え!?人間界って・・・」
泰山王「そうそう。十王って言ってもね、ほとんどが人間に擬態してるんだ。やっぱりさ、死ぬ前の人間というものをこの目で見ておきたいじゃん?冥界ばっかにいると、井の中の蛙状態になるから、豊富な知識をつけておきたいんだー。生きている人間をこの目で観察するのも、結構楽しいし」
泰山王さんはニコニコと話す。本当に、楽しそうで何よりだ。
黒龍「十王の中での人間界で擬態してないのは閻魔王様ただ1人・・・」
泰山王「ねー。本当ズルいよー」
雪華「言葉を慎め白装束野郎」
雪華の刀が鞘からちらつく。
泰山王「はいはい。もう、雪華ちゃんってば、閻魔のことになるとお熱なんだからー」
泰山王さんは雪華をスルリと交わす。
神門「えーっと、泰山王さんは」
泰山王「御薬袋霧雨ね」
神門「たいz」
泰山王「御薬袋霧雨」
これ以上泰山王さんと言うと、殺されそうな雰囲気だった。
神門「・・・霧雨さんって、閻魔王のこと知ってるんですか・・・?僕としても、少し知識をつけたくて」
霧雨「閻魔について知りたいなら適任者がいるじゃないかー。そこの銀髪のおねーさんとかー」
雪華「はあ?なんで私が」
霧雨「まあまあ、閻魔の第一補佐官でもある雪華ちゃん直々に教えてあげたほうがいいし」
神門「第一補佐官!?・・・って何・・・?」
どうやらすごそうな役職というのはわかるが、それ以上のことはわからない。
黒龍「第一補佐官ってのは、閻魔のお手伝いをしてる人のことだよ~。裁判とかを手伝うんだ~」
黒龍が腕を頭の後ろで組みながら話す。