大江戸妖怪物語
桂男巻


威勢のある、活気のある町。そう、ようやく僕はここへ帰ってきたのだ!!

神門「やっと帰ってきました!!江戸に!!!」

生越からずっと歩いて疲れもあるが、江戸に帰ってこれただけでひどく感激だ。どことなく懐かしい匂い・・・、まあ、江戸の匂いというものを知らないが。

神門「あー・・・疲れた・・・!早く家に帰ろう・・・。んで、あなた方はいつまで現世にいるつもりですかねー・・・?」

霧雨「え?神門くんてば酷いなー。そんなにあからさまに面倒くさそうな顔をしないでよー!」

黒龍「なんか眠い・・・」

黒龍は目の前の柱にガツンと頭をぶつけた。それでもどうやら眠気のほうが勝ってしまうらしく、フラフラとしている。

いったい、いつ冥界に戻ってくれるのか・・・。僕がこう思うのも、理由が存在する。

神門(思い出しただけでもおぞましい・・・)

問題だったのは、生越からの道中だった・・・。

それは、夕食のこと・・・

――――――――

霧雨「さーてと!今日はここで野宿しようか!」

神門「そうですね、結構暗くなってきましたし・・・熊とか出るかも」

雪華「別に熊が出ようが倒す。さっさと江戸に帰りたい・・・」

神門「そりゃー、雪華にとっては熊なんてミジンコなみだけどねー・・・」

そしてなにやら泰山王さんこと霧雨さんが何やらゴソゴソとしている。

霧雨「じゃあ、僕は料理当番ねー!料理には自信があるよー!!!」

と、オタマを持ってノリノリにピースをぶちかます霧雨さんは、どうやらカレーライスを作るらしく、大きな寸胴鍋と、飯盒を出した。大抵の荷物は冥界から持ってきたのだろう。

雪華「では、木の枝を拾って来なくてはな。神門、黒龍。お前らは木を拾ってきてくれ」

神門「わかった、行こう。黒龍」

黒龍「うん」

僕と黒龍は木の枝を集めに向かう。雪華は食べられそうな草を取ってくるらしい。まあ、雪華に任せておけば大丈夫だろう。

そして二十分ほど枝を探すと、霧雨さんがいる場所へと戻った。

すでに雪華も戻ってきており、たくさんの野草があった。

雪華「これぐらいの具材があればカレーくらい作れるだろう」

霧雨「もっちろん!任せといて!!」

霧雨さんは手際よく具材を切ると、鍋に入れて煮込む。そして霧雨さんは肉を取り出すと鍋の中に入れた。

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