大江戸妖怪物語
神門「水はねぇのか!?」
母「橋の下には川が流れているけれど、私達の力じゃ火を消すのは不可能よ」
神門「クッ・・・・・・」
苦し紛れの吐息を漏らす。僕は絶望した。
その時だった。
・・・ゾクッ・・・
僕は何やら寒気を覚えた。悪寒では無いが、なぜか僕の周りだけ、季節が冬になったようだった。
あたりを見回すが、寒がっている人は一人もいない。それもそう。季節は春。
気のせい・・・だったのか?
僕は慌てて江戸の町を飲み込む火を凝視する。
すると、僕の視界の右側から、一人の娘が歩いてきた。